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福島の地域情報サイト「まいぷれ」福島市

福島市移住応援サポーター

福島の人といっしょに楽しいことを作り出したい!~坂内まゆ子さんインタビュー~

福島暮らしがおもしろくなるアレコレ、企みます!

坂内まゆ子さんは、美大で染色の技術を学び、アーティストとしても活動したのちに、イベント企画の立案・運営などの事業をスタートした異色の経歴の持ち主。福島市全体にアンテナを張って、地元密着の活動をする坂内さんのお話からは、福島市の隠れた魅力があふれてくるよう! 移住応援サポーターとしての意気込みも伺いました。

震災後、自然の力強さに励まされて

 

「福島ってこんなにおもしろい場所だったんだ」と気づいたのは、大学院を卒業後に福島に戻ってきてから。大学は山形の美術大学に進み、染色やテキスタイルデザインを中心に学んでいました。白い布がパッとさまざまな色に染まるのが楽しくて、思い通りの色、形に染めあげられる自由度もあって、初めて授業で触れたときから「これだ!」って思ったんですよね。大学院での研究テーマは柿渋。柿渋を使って作品を作っていました。

 

大学院卒業後は、福島で県の芸術文化事業に携わる予定でした、その年の3月、あの大震災が起こります。内定していた事業は中止になり、私は行き場を失ってしまいました。

福島に帰ったのは、その年の夏ごろです。これからの福島がどうなっていくのか、その場にいてちゃんと感じたい、と思いました。

山形の友人は「まだ危ないよ」「もう少しこっちにいたほうがいいよ」って引き止めてくれたけれど、ふるさとが危険地帯のように言われているのもなんだか悔しくて。

「FRIDAY SCREEN」のオフィスにて

でも、なかば強引に帰ってみたら、福島にはちゃんと日常の暮らしがありました。福島市の真ん中にある小高い山、信夫山には青々と若葉が茂っていて、「あ、なんか大丈夫だ。福島は再生できる」ってほっとしたことは、今でも鮮明に覚えています。自然は季節通りに巡っていく。その力強さに励まされました。

 

Uターン後しばらくは、テキスタイル作品の制作したり、個展を開催したりと、テキスタイルアーティストとしての活動を行っていました。また、震災後1年たったころからは、福島県の文化事業などにも携わり、現在の仕事につながる企画や広報についても経験を積みました。

地元の人にとっても「新発見!」な福島のおもしろさを発信中

 

2015年、夫とともにデザイン&企画事務所「FRIDAY SCREEN」を立ち上げました。夫がデザインを、私がイベントの企画・運営や広報などを担当して、デザインとプランニングの両方からローカルでの暮らしをもっと楽しく、おもしろくしていけたらと、日々ものづくり・企画づくりをしています。

 

ライフワークのように続けているイベントのひとつが、2015年にスタートした「マルクト朝市」。

「マルクト」は、ドイツ語でマーケット、市場、の意味。

小さくてもいいから、日常になるようなイベントがやりたい。それがこの朝市をスタートしたときの思いです。震災後、福島市ではたくさんの大きなイベントが開かれましたが、その多くは単発のものでした。

地元の人が「福島市に住むって楽しい」と思えるような、暮らしの延長にあるイベントがあったらいいのに。福島で農業を始めた人、お店をオープンした人たちと知り合う機会があったのも後押しになり、生産者と消費者が触れ合える、暮らしに根づいた朝市が誕生しました。

 

マルクト朝市が開かれるのは、毎月第4日曜日。開催日は決まっているけれど、場所は2カ月ごとを目安にあちこちに変わるのも特徴です。

たとえば、絶品ソフトクリームが味わえる「ささき牧場カフェ」、雰囲気ある古民家「旧佐久間邸」、最高のお花見スポット「荒川桜づつみ公園」。福島市民からも「意外と行ったことがなかった」「こんないいところがあったんだ!」なんてうれしい言葉をもらうのがうれしくて、候補地のリサーチはすっかり私の日常になりました。

ドライブがてら、「ちょっとこの道を曲がってみよう」なんて街を探索していると、あるんですよね、すてきな出会い。商店街から離れたところにも、ぽつんと味のあるお店、かわいい、おいしいお店が点在しているのって、福島市のおもしろいところだと思います。

地域の暮らしが楽しくなる「つながりやすさ」

 

朝市を運営していて感じるのは、福島市民ののんびり気質(笑)。商売をしている人もどこか控えめなんですよね。私が「もっと宣伝しましょう! こんなすてきなお店なんだから、みんなに知ってほしい!」なんて鼻息荒く提案しても、「いや~、人がいっぱい来すぎたら、こまっぺした(困るでしょ)」「うちは食っていければいいんだぁ」なんて笑う方も多くて。

朝市の出店者には山形の生産者さんもいますが、その方も「福島のお客さんはすごくやさしい!」っておっしゃいますね。

生産者さんとのおしゃべりも楽しい、朝市での買い物風景

「うちはすごいんだよ」って自分で言うのは苦手な控えめな福島人ですが、外から来る人にはとても寛容。

それは、福島市のほどよいサイズ感も関係しているのかな、と思います。街らしい便利さもありながら、ちょっと車を走らせれば田園風景が広がっていて、どの方向に向かっても温泉に行き着く! 30万都市で人との適度な距離感がありながらも、誰かと知り合うと誰かとつながっていけて、すぐにネットーワークができていく。

 

移住応援サポーターも、まさにそういうことを担っていく役割だと思っています。おもしろい人、場所、どんどんご紹介します!

子育てのしやすさ、実感中です!

 

昨年、息子を出産して、母になりました。つかまり立ちも始まって、目が離せません(笑)。仕事のペース配分を見直したり、生活リズムも大きく変わったり、それにやっぱり視点も変わってきましたね。ママ目線でイベント運営を見直すと、授乳室の設営やベビーカーでも動きやすい動線など、気づけたこともたくさん。

 

何より感じるのは、「味方が増えた」ということです。私が住む地区は、お年寄りがとても多くて、150世帯近くあるうちの2/3が高齢者世帯。そういうところに赤ちゃんが生まれたものだから、もうお祭りのように盛り上がって(笑)。

地域のみんなが「子どもは宝」と見守ってくれる安心感は、新米ママ・パパにとっては本当にありがたいものです。

 

子育て真っ最中のファミリーにも、きっと暮らしやすい場所じゃないかな、と思います。

企画書の制作などは、自作のスタンディングデスクで。「息子をおんぶしながら仕事することも増えました!」

福島市のおすすめSPOT

 

文化堂ペントノート

老舗文具店「文化堂」の2階に2018年にオープン。「ペンとノートのある暮らし」をコンセプトに、万年筆や便箋、カード、雑貨類などを扱うショップです。ゆったりしたカフェスペースには、電源、フリーWiFiも完備。

店内で焼き上げるパニーニやスコーンなどの軽食も人気。

住所:福島県福島市上町2-20  2F

HP:http://pentonotelife.com/

本カフェ信夫山文庫

福島市のシンボルともいえる信夫山の山麓に佇む、本カフェ。もともと田楽茶屋だった古民家をそのままカフェに。司書兼賄いのブン子さんの手作りランチやスイーツもおすすめ!本を読みながらゆったりアイデアを練ったり、打ち合わせをしたり、ゆるゆる作業をしたりするのにも。ワークショップやイベントなども開かれます。

おばあちゃんの家に遊びにきたかのような懐かしい雰囲気。ほっとくつろげる空間です。

住所:福島県福島市大明神6

電話:024-534-2558

Instagram:@sinobuyamabunko

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。