【高校受験のお話し③】
福島市内でトップ校というと「福島高校」「橘高校」が代表的にイメージされると思います。
令和5年の受験を振り返ると、トップ校の志願状況は以下の通りとなっていました。
「福島高校」が募集定員280名に対して志願者数が295名で志願倍率1.05倍(昨年度1.17倍)「橘高校」が募集定員280名に対して志願者数が365名で志願倍率1.30倍(昨年度1.32倍)
コロナ禍の中で、トップ校を受験する生徒の数が年々減少しているという、過去には考えられない事態が生じています。特にトップである「福島高校」の志願者数が、ここ3年ほど定員割れに近い状況で推移していることに、危機感を感じている方は多いのではないでしょうか。
トップ校を目指すことが人生の全てではありませんが、少なくともトップ校を目指そうという想いと勉強へのモチベーションが人生を歩んでいく上で大きな糧となることは間違いありません。
その大事な糧を得ることなく、端から諦めて目標を下げてしまう生徒たちのマインドを鑑みると、そうさせてしまう現状の教育環境にいささか残念な想いを抱いているのは私だけではないと思います。
現在、県の教育委員会が進めている「県立高等学校改革」のグランドデザインを見ると、「本県の未来を切り拓くチャレンジ精神を持った人づくり・生徒の資質や能力を伸長させる魅力ある高等学校づくり」をスローガンに、現在の県立高校を6つのカテゴリーに分けて特色化を推進するようです。
県北エリアの代表的な高校で見てみると以下のように分類されています。
【 カテゴリー 】【 対象高校 】【 育てたい生徒像 】
【進学指導拠点校】福島高校 :各分野でトップリーダーとして未来を牽引できる人材
【進学指導重点校】橘 福島西 福島東:各分野のリーダーとして社会の発展に貢献できる人材
【キャリア指導校】福島北 福島南 :地域を支える核となって社会に貢献できる人材
【職業教育推進校】福島商・工業・明成:地域産業を支える核として社会に貢献できる人材
トップ校を目指す生徒が減少したということは、本県の未来を牽引するリーダーを目指す若者が減少することを意味しており、このことに少なからず危機感を抱いてしまうのは私だけでしょうか。
できるだけレベルの高い高校を目指すということは、自分の人生の選択肢を増やす行為に他なりません。
中学生の段階で自分の将来の目標を見据えている人は少ないと思いますが、経験値から言わせていただけば、高校・大学と年齢を重ねていく中で自ずと決まっていくことが多いように思います。
大事なことは、自分が目指すべき道が見えたときにその道に向かうための選択肢を選ぶ余地があるのかどうか?ということではないでしょうか。
人生の中で本気で勉強できる期間はとても短いと思います。
その時に「忍耐」強くコツコツと「本気」で努力を重ねることができるかどうかは、その後の自分の人生を左右する大事な自己鍛錬の期間なのかもしれません。